法人クレジットカードのおすすめ&選び方を解説。年会費や特典も

2025.10.07コラム

会社の経営者や個人事業主なら、法人クレジットカードは1枚持っておくべきです。

資金の管理や経費の精算などが楽になりますし、カードによってはポイントも貯まり経費の削減につながります。

しかし、法人クレジットカードはたくさんの種類があり、個人のクレジットカードと何が違うのか、起業したばかりでも申し込めるのかなど、様々な疑問があると思います。

そこで今回は、法人カードおすすめをご紹介するとともに、カードの選び方や使い方の注意について詳しく解説します。

年会費が無料のカードやポイント還元率が高いカードなど、その特徴を踏まえてご自分の事業に合ったカードを選んでください。

目的別おすすめの法人クレジットカード

目的別にカードが選べるように、その特徴ごとにカードをご紹介します。

ポイントを貯めて経費を削減したい人におすすめの法人クレジットカード

一般的なビジネスカードのポイント還元率は0.1%〜0.5%程度であるため、1%を超える還元率があれば高還元率であるといって良いでしょう。

こちらのカードのポイント還元率が高くなっています。

クレジットカードポイント還元率
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード1.0%
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード0.5~1.125%
ライフカードビジネスライトプラス0.5~2.0%
楽天ビジネスカード1.0%
UPSIDERカード1.0%〜1.5%
NTTファイナンスBizカードレギュラー1.0%
Airカード1.5%
ダイナースクラブビジネスカード1.0%

年会費が無料の法人クレジットカード

年会費にコストをかけたくないという人は、年会費無料のカードを選びましょう。初年度無料のカードも含めて、一覧でまとめました。

クレジットカード年会費
JCB 法人カード【一般】1,375円(税込)
【ゴールド】11,000円(税込)
いずれもオンライン入会で初年度無料
JCBビジネスプラス法人カード【一般】1,375円(税込)
【ゴールド】11,000円(税込)
※いずれもオンライン入会で初年度無料
JCB CARD Biz【一般】1,375円(税込)
【ゴールド】11,000円(税込)
いずれも初年度無料
ANA JCB法人カード【一般】2,475円(税込)初年度無料
三井住友カードビジネスオーナーズ永年無料
三井住友カードビジネスオーナーズゴールド 5,500円
年間100万円以上の利用で翌年以降無料
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード無料
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード22,000円(税込)、初年度無料
ライフカードビジネスライトプラス【一般】無料
【ゴールド】2,200円(税込)、初年度無料
UPSIDERカード無料
NTTファイナンスBizカードレギュラー無料

年会費が高いカードでも、初年度無料のカードなら試しやすいのではないでしょうか。

特典が充実したハイクラスな法人クレジットカード

クレジットカードは、年会費が高くなるほど特典が充実する傾向があります。それは個人用でも法人用でも同じことです。

ゴールドカード以上のランクのカードはこちらです。

クレジットカード年会費
JCB 法人カード【ゴールド】11,000円(税込)
オンライン入会で初年度無料
JCBビジネスプラス法人カード【ゴールド】11,000円(税込)
オンライン入会で初年度無料
JCBプラチナ法人カード33,000円(税込)
JCB CARD Biz【ゴールド】11,000円(税込)
初年度無料
ANA JCB法人カード【ワイド】12,925円(税込)
【ワイドゴールド】20,900円(税込)
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード36,300円(税込)
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード22,000円(税込)、初年度無料
ダイナースクラブビジネスカード27,500円(税込)

ゴールド以上になると、空港ラウンジサービスがついており、旅行傷害保険も充実します。

特に、国内旅行傷害保険もつけたい人は、ランクの高いカードをおすすめします。

マイルを貯めやすい法人クレジットカード

マイルを貯められる法人クレジットカードは、個人用のカードに比べるとかなり少ないです。

【ANAマイル】

  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ
  • ANA JCB法人カード
  • アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
  • セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
  • セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
  • 楽天ビジネスカード

【JALマイル】

  • アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
  • セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
  • セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード

アメリカン・エキスプレスのカードは、「メンバーシップ・リワード・プラス」に加入すると交換レートを上げることができます。

年間の参加費は3,300円(税込)ですが、ポイントの有効期限が無期限になりますし、 通常100円=1ポイントのところ、対象店で利用すると100円=3ポイントになります。

ビジネスに役立つ法人クレジットカードの選び方

それぞれのカードの特徴を見ても結局どのように選んだら良いか分からないと迷っている人もいると思います。そこで、上手なカードの選び方について解説します。

ビジネスの規模によって選ぶカードが違う

法人クレジットカードは、コーポレートカードとビジネスカードに分けられます。コーポレートカードは大きな企業向け、ビジネスカードは中小企業または個人事業主向けと考えると良いでしょう。

事業の規模がどのぐらいか、従業員がどのぐらいいるかで適した法人カードの種類が違ってきます。

コーポレートカードは法人の代表者ではなく法人を対象に発行されます。資本金や事業の状況などを細かく審査されるため、ビジネスカードよりはややハードルが高いです。

年会費を比較して特典に見合った年会費のカードを選ぶ

個人用のカードと違い、法人クレジットカードは年会費がかかるケースが多いです。中には無料のカードもありますが、決済手段としてだけでなく、カードの付帯サービスも利用したいと考えるなら、特典に見合った年会費のカードを選ぶ必要があります。

一般的に、年会費が高くなるほど特典も充実しますが、 年会費を経費として計上できるとはいえ、あまり年会費が高いとビジネスの負担になってしまうこともあるでしょう。

年会費無料のカードはポイントが貯まらない、旅行の保険が付いていないなど付帯サービスがほとんどないことも珍しくありません。

特典の充実度、ポイントの貯まり方などと、年会費のバランスが取れていることが大切です。

追加カードは何枚発行できるか

コーポレートカードとビジネスカードの大きな違いとして、追加カードの発行枚数の違いがあります。

大きな企業向けのコーポレートカードは、複数枚の追加カードを発行できるほか、枚数に制限のないカードもあります。

追加カードの年会費は様々で、無料のものもあれば、一定枚数までは無料でそれ以降有料になるケースもあります。

一方ビジネスカードは、個人事業主や中小企業が対象であるため、追加発行できるカードの枚数はあまり多くありません。

中には追加発行できないカードもありますので、 従業員の分もカードを作りたいと考えている人は追加カードが何枚まで発行できるか、きちんと確認しておきましょう。

審査の方法を見てから選ぶ

一般的に法人クレジットカードは本人確認書類以外に会社の経営状況が分かる書類を提出しなくてはなりません。

コーポレートカードは審査の対象が法人であるため、登記簿謄本や決算書が必要となります。 審査にも時間がかかりますしカードの発行までに2〜3週間かかることも珍しくありません。

一方、個人事業主やフリーランスを対象としたビジネスカードであれば、登記簿謄本や決算書の提出が不要となっているカードもあります。 その場合は、申込者個人の与信審査となりますので、本人確認書類のみで審査をしてもらえます。

ビジネスカードといっても、ゴールドやプラチナカードなどランクの高いカードになると、決算書が必要となる場合がありますので、起業したばかりの個人事業主であれば、年会費があまり高くない一般カードから入ることをおすすめします。

ビジネスの効率化に役立つ特典がついているか

せっかく法人クレジットカードを作るなら、決済手段としてだけではなく、ビジネスに役立つ特典が付いているかどうかも事前に確認しましょう。

たとえば、会計ソフトと連携して自動的に利用明細を取り込むことができるサービスがついていれば、経費の精算業務を大幅に効率化できるはずです。

担当者の手間が省けるだけでなく、入力ミスや不正行為の防止にもつながり、一石二鳥です。

使ってみたい法人クレジットカードが連携している会計ソフトと、自社で使っている会計ソフトが同じかどうか、事前にきちんと確認しておくことをおすすめします。

他にも、ビジネスに役立つサービスを優待価格で利用できるなど、カード独自の特典をよく比較して、ビジネスの効率化に役立つサービスがついたカードを選びましょう。

ポイント付与率ではなくポイント還元率を見る

ポイントをたくさん貯めてコスト削減につなげたいと考えているなら、ポイントの付与率ではなくポイント還元率を比較しましょう。

たとえば、1,000円ごとに1ポイントですと付与率は0.1%です。ただし、1ポイント= 5円で利用できるなら、ポイント還元率は0.5%となります。

いくらで何ポイントつくかという点だけでなく、そのポイントを交換したときにいくらの価値があるのかを比較しましょう。

本当に使いたい特典がついているか比較する

一般的に、年会費が高くなるほどカードの特典は充実します。しかし、特典は多ければいいというものではありません。

旅行や出張に行かない人に、海外旅行傷害保険が付いていてもあまり意味はないでしょう。

それならば、ポイント還元率の高いカードを選んだ方がコスト削減につながります。

特典やサービスの多さではなく、その特典を本当に有効活用できるのかよく考えてから選びましょう。

利用限度額を比較する

法人クレジットカードの利用限度額にはかなり幅があります。

個人事業主用のビジネスカードでは、はじめての申し込みで設定されるのは100万円程度です。利用している金額やビジネスの規模によって、増額していくことは可能です。

利用限度額が高いカードを使いたい場合は、アメックスやダイナースクラブなど、一律の利用可能枠が制限されていないカードを選ぶと良いでしょう。

国際ブランドを比較して使いやすいものを選ぶ

使いやすさやステータスなど、クレジットカードに何を求めるかによって、適した国際ブランドが違ってきます。

1枚目の法人クレジットカードを作るなら、日本でも海外でもどこでも使えるVISAやMasterCardがおすすめです。シェア率が高いので、使う場所に困ることはないでしょう。

国内での加盟店が多く、旅行の特典も豊富なのはJCBです。

ステータス性を重視するならアメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブがおすすめです。

改めておさらい!法人クレジットカードの基礎知識

ここで、法人クレジットカードとはどのようなものなのか、その特徴について改めておさらいしておきましょう。

個人用クレジットカードと法人クレジットカードとの違い

まず個人用のクレジットカードは、プライベートの支払いに利用するものなので、事業用の資金には利用ができません。

審査は個人の与信のみで、安定した収入があれば利用できます。

一方、法人クレジットカードは安定した収入に加えて、申込者または法人の社会的な信用も必要となります。

利用限度額も高く、個人用のクレジットカードは100万円から200万円程度ですが法人クレジットカードになると500万円以上になることもあります。

法人クレジットカードの審査基準はやや厳しめ

法人クレジットカードの審査基準は、個人用のクレジットカードと同様に詳細は公開されておりません。 ただし、チェックされるポイントは以下の3つであると考えられています。

  • 経営実績
  • 財務状況
  • 申込者の信用情報

経営実績は長く安定した会社を経営しているほど審査では有利になります。ビジネスが長く存続しているほど社会的な信用が高いと考えられるからです。

もちろん、財務状況が安定していることも重要なポイントです。赤字よりは黒字経営を続けている方が審査では有利になるでしょう。

ただし、起業したばかりの人や赤字が続いていると審査に不利になるかというと、必ずしもそうではありません。

法人クレジットカードは、ビジネスの状況や申込者の信用情報などを総合的に勘案して、発行するかどうかを決めています。

会社が黒字経営をしていても、申込者の信用情報に問題がある場合は、お金に関する信用度が低いとして審査に通らない可能性もあります。

従業員用のカードが発行できる

個人用のカードは家族カードを発行できるのと同じように、法人クレジットカードは従業員用の追加カードを発行できます。

なお、家族カードと同様に、従業員カードにも個人名が記載されていますので、券面に記載された名前の人以外は利用することができません。

追加カードの発行枚数はカードによって違いますが、年会費が高くなるほど発行枚数も増える傾向にあります。ビジネスカードの中には追加カードを発行できないものもありますので、事前によく確認しておきましょう。

法人クレジットカードを利用するメリット

法人クレジットカードには、業務の効率化などいくつものメリットがあります。

経費の処理が簡単になる

現金で買い物をすると、自分または従業員が経費として立て替え払いをし、領収書をもとに精算書を作成、さらに経理で精算処理という手間が生じます。

事務処理が煩雑ですし、立て替え払いをする従業員の負担も大きいです。

法人クレジットカードで決済すれば、立て替え払いの必要はなくなりますし、WEB明細をそのまま取り込むことで精算処理が簡略化でき、業務の効率化につながります。

記載漏れや入力ミスなど、人為的な間違いのリスクを軽減することも可能です。

年会費を経費で計上できる

法人クレジットカードの年会費は、経費として計上できます。

個人用のクレジットカードは、たとえそのカードで会社のもの購入したとしても、年会費を経費として計上することはできませんが、法人クレジットカードなら可能です。

ポイントやマイルを貯めて利用できる

ポイントが貯まるタイプの法人クレジットカードを使えば、利用することにポイントやマイルを貯めていくことができます。

たまったポイントはキャッシュバックに利用したり、マイルや他社のポイントに交換したりできるので、その分経費の削減にもつながるでしょう。

ビジネスに役立つ特典が付いている

法人クレジットカードには、様々な特典が付いています。

旅行の傷害保険等は個人用のクレジットカードにも付いていますが、 法人クレジットカードなら会計ソフトとの連携、弁護士や税理士への相談料優待、接待用のレストランの優待など、ビジネスに特化した特典が付いています。

プラチナランクのカードになれば、24時間利用できるコンシェルジュサービスなども付いています。

チケットの手配やレストランの予約などをお願いできますから、法人クレジットカードが忙しい経営者の手足となってくれるでしょう。

支払いを先送りできる

法人クレジットカードを利用すれば、急に大きな資金が必要となった時、手持ちの現金がなくてもカード支払いをすれば支払いを先送りできます。

使う時期によっては、支払いまで40日から50日程度の余裕が生まれるでしょう。

もし今必要なくても、資金繰り対策として法人カードは1枚持っておくと便利です。

税金の支払いもカード払いができる

税金は金額が大きいこともあり現金で支払うのが厳しい時もあるでしょう。法人クレジットカードを持っていれば、税金もカード払いが可能です。

実際の支払いは、「国税クレジットカードお支払サイト」から手続きをします。以下の国際ブランドが利用可能です。

  • VISA
  • MasterCard
  • JCB
  • American Express
  • Diners Club
  • TS CUBIC CARD

なお支払いには以下の手数料がかかります。

納付税額決済手数料(税込)
1円〜10,000円83円
10,001円〜20,000円167円
20,001円〜30,000円250円
30,001円〜40,000円334円
40,001円〜50,000円418円

法人クレジットカードを利用するデメリット

便利な法人クレジットカードですが、デメリットも存在します。ただし、どのようなデメリットがあるのかあらかじめ理解しておけば、対処法はあります。

個人カードよりも審査がやや厳しめである

個人用のクレジットカードは、安定した収入があり、信用情報に問題がなければ比較的簡単に作れます。

プラチナカードなどランクの高いカードでなければ、それほど高い年収がなくても申し込みできます。

しかし、法人クレジットカードは会社の設立時期や事業の実績、代表者の情報などを会社としての支払い能力があるかどうかが重視されます。

そのため、個人用のクレジットカードよりは審査がやや厳しめであり、まだ設立して間もない会社や起業したての個人事業主などは、審査に落ちてしまう可能性もあります。

審査が不安な場合は、 登記簿謄本や決算書の提出が必要ない、個人の与信のみで審査をしてくれるカードを選ぶと良いでしょう。

多くのカードは年会費がかかる

個人のクレジットカードは、一般カードなら年会費無料のものが主流です。 しかし法人クレジットカードの多くは、年会費がかかります。

ゴールドカードやプラチナカードになると、年会費が数万円かかるものもあります。追加カードに年会費がかかるものもありますので、トータルでどのぐらいのコストになるのか、事前によく確認する必要があります。

しかし最近では、法人クレジットカードでも年会費無料のものが出てきました。また、年間の利用額によって翌年の年会費が無料になるなど、条件付きで無料になるカードもあります。

年会費にコストをかけたくない人は、できるだけ無料のものを選ぶと良いでしょう。

リボ払いや分割払いができない

法人クレジットカードは、基本的に一括払いのみです。分割払いやリボ払いには対応していないカードがほとんどですので、大きな金額を使うときには注意が必要です。

カード会社によっては、一時的に利用限度額を引き上げてくれるケースもありますが、一括払いで資金繰りが苦しくならないように気をつけてください。

なお、以下のカードは、分割払いとリボ払いに対応しています。

  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ
  • ライフカードビジネスライトプラス
  • セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

なお、セゾンのアメックスカードは、 加盟店によって一括払い以外はできないことがありますので使う前に確認した方が安心です。

法人クレジットカードを使う時の注意ポイント

法人クレジットカードは経費処理も楽になり、特典もあって便利なものですが、利用にはいくつか注意して欲しいポイントがあります。

従業員の間で使い回ししない

従業員用に発行する追加カードには、会社名ではなく個人名が記載されています。ですので、カードに名前が書いてある人しか、使うことができません。

これは個人用のクレジットカードと同じことで、カードは個人あてに貸与されているものですから、記名されている人以外が利用するのは規約違反となります。

従業員用カードの私的利用を防ぐルールを決めておく

クレジットカードは、加盟店であれば個人用であろうと法人用であろうとどこでも使えてしまいます。追加で発行したカードの利用方法についてのルールを事前に決めておきましょう。

  • 法人クレジットカードを使ったら必ず領収書を提出する
  • 法人クレジットカードで決済して良い費目を決めておく
  • 追加カード1枚あたりの利用限度額を低めに設定しておく
  • 基本的には経理でカードを保管しておき、決済が必要な時だけ担当者にカードを渡す
  • 不正利用した場合の罰則規定を決めておく

など、 カードを利用する従業員に運用のルールを周知しておきます。

また、従業員からの報告がなくても、定期的にカードの利用明細をチェックしておくことも大切です。

利用明細があっても領収書をきちんと保存しておく

利用明細を領収書代わりにすることも可能ですが、帳簿の資料としてはやはり領収書を保管しておいた方が安心です。

法人クレジットカードで買い物をしたら、会社名で必ず領収書をもらっておきましょう。

法人クレジットカードのポイントを従業員が個人で使わない

法人クレジットカードで貯まったポイントは、会社のものになります。個人のカードで貯めたポイントではないので、従業員の個人利用は避けましょう。

クレジットカードに従業員の個人名が記載されていても、ポイントは会社の財産ですから、勝手に利用すると業務上横領に該当する可能性があります。

社長や法人代表者は、カードが自分の名義になっているので利用するのは問題ありません。とはいえ、一応会社のカードとして作ったカードですので、そこで貯まったポイントは個人利用するのではなく、会社のために使う方が望ましいでしょう。

なお、個人事業主やフリーランスの場合も、自分でポイントを利用するのは問題ありません。 個人事業主が作る法人カードは、個人の与信で審査をし、個人で契約をしているからです。

ポイントを利用したら必ず経理処理を行う

カードの利用で貯まったポイントは経費削減のため物品の購入などに充てることもできます。

ポイントが付与された時点では、特に何か処理する必要はありません。

いくらポイントが貯まっていても、失効する可能性もありますし、 ポイントはそもそも課税対象ではありませんので帳簿に記載する必要はないのです。

ただし、何かを購入する際に法人クレジットカードのポイントを使用したら、経費処理が必要になります。

「雑収入」または「値引処理」として経理処理を行います。

事業者が備品等を購⼊する際にポイントを使⽤した場合の経理処理は、次のいずれかの⽅法が考えられます。
① 値引処理(ポイント使⽤後の⽀払⾦額を経費算⼊する処理)
② 両建処理(ポイント使⽤前の⽀払⾦額を経費算⼊するとともに、ポイント使⽤額を雑収⼊に計上する処理)

引用元:企業発行ポイントの使用に係る経理処理 – 国税庁

マイルを利用する際も、ポイントと同様に会計処理を行いましょう。

法人クレジットカードに関するよくある質問とその回答(Q&A)

法人クレジットカードに関してよくある疑問や質問、その回答についてまとめました。

ビジネスカードとコーポレートカードの違いはなんですか?

ビジネスカードは、個人事業主やフリーランス、中小企業向けのカードです。一方、コーポレートカードは、規模の大きな企業向けのカードです。

コーポレートカードは提出する書類も多く、審査に時間がかかります。

ビジネスカードであれば、事業に関わる書類が不要で、申込者の本人確認書類のみで審査してもらえる場合もあります。

個人事業主でも法人クレジットカードを作れますか?

個人事業主でも法人クレジットカードを作れます。

登記簿謄本や決算書の提出が不要なビジネスカードなら、 起業したばかりで事業の実績がない個人事業主でも作れるでしょう。

法人カードは社長以外でも使えますか?

法人カードは、基本的に法人の代表者もしくは個人事業主に対して発行されます。社長以外が使う場合は、従業員用の追加カードを発行してもらいましょう。

また、カードは名前が記載されている人しか使うことができませんので注意してください。 記名されている人以外が利用するのは規約違反となります。

個人用のクレジットカードを法人用に使うことはできますか?

クレジットカードはあくまでも決済の手段ですので、個人用のクレジットカードで会社の経費を支払うのは何ら問題ありません。

ただし、帳簿をつける上で、個人用の支払いと混ざらないように注意してください。仕分けは「事業主借」として記載します。

支払いが混ざっていると計上漏れのリスクもありますので、法人クレジットカードを作っておいた方が便利です。

法人クレジットカードの名義は会社名ですか?

クレジットカードの名義は個人名です。中には、券面に法人名も合わせて記載されているカードもありますが、名義人はカードを貸与されている個人です。

審査にあたっては、法人としての支払い能力などを確認しますが、カード自体は個人に対して発行されています。ですので、法人の代表者又は個人事業主の名前が記載されています。

法人クレジットカードの申し込みに必要な書類はなんですか?

カード会社ごとに若干の違いはありますが、一般的にこのような書類が必要となります。

  • 代表者の本人確認書類
  • 法人の本人確認書類(登記簿謄本、 登記事項証明書、印鑑登録証明書及び定款など)
  • 決算書

個人事業主やフリーランス向けのビジネスカードであれば、代表者の本人確認書類のみでOKの場合もあります。

法人クレジットカードで税金を払えますか?

法人税や消費税等、会社にかかる税金は法人クレジットカードで支払いが可能です。

「国税クレジットカードお支払いサイト」から手続きを行いますが、納税額に応じて一定の手数料がかかります。

法人クレジットカードで貯めたポイントの会計処理はどのようにしたらよいですか?

ポイントが付与された時点では何もする必要はありません。ポイントを使用する際に会計処理が必要となります。

「値引処理」または「両建処理」として処理しましょう。

法人クレジットカードで貯めたポイントは個人で利用できますか?

法人クレジットカードで貯まったポイントは、あくまでも法人に対して付与されたものです。ですので、従業員が個人的に利用することは基本的に認められません。

法人カードの名義人である社長が個人的に利用する分には、問題ないとされています。ただし、名義人が社長であっても法人カードに対して付与されているポイントですから、私的に利用するよりは会社の経費として利用した方が望ましいといえるでしょう。

個人事業主やフリーランスの人が自分名義で作ったビジネスカードは、個人で利用しても問題ありません。

法人クレジットカードはビジネス用の特典が充実したカード

法人クレジットカードは、法人又は個人事業主に対して発行されるカードです。大きく分けると、規模の大きな企業に発行されるコーポレートカードと、個人事業主や中小企業が利用するビジネスカードがあります。

法人クレジットカードで決済をすると、WEB明細をそのまま会計ソフトに取り込めるなどビジネスに特化したサービスや特典が充実しており、あなたのビジネスをサポートしてくれるでしょう。

また、個人カードと同じようにポイントを貯めたり、貯まったポイントキャッシュバックやマイル交換に利用したりして、経費の削減にもつながります。

今回は、特典が充実したプラチナカードや起業したばかりの個人事業主でも申し込みができるカードまで、様々なカードをご紹介しました。

どのような点を比較してカードを選べば良いか、そのポイントについてもあわせて解説しましたので、ぜひご自分のビジネスに合ったカードを見つけてください。