ETCカードの作り方。クレジットカードなしで作る方法はある?

2025.10.06コラム

有料道路の料金所をノンストップで通過できるETCシステムのことは、クルマに乗る方ならきっとどなたもご存知でしょう。その国内での普及率は、何と約94.2%、9割を超えているそうです。

これから利用を始める方も、ETCについて何も知らないというのでは少し不安ですよね。そこで初心者の方向けに、これからETCカードの作り方と使い方を一からわかりやすく解説します。

既にETCをご利用の方も、今さら人には聞けない基礎知識をここでしっかりと身につけましょう。

ETCカードの作り方は3種類!クレジットカードで作るのが一番お得

ETCカードの作り方としては、次の3種類の方法があります。

  1. クレジットカードと同時にETCカードを作る
  2. 所持クレジットカードに追加してETCカードを作る
  3. ETCパーソナルカードの申込みをする

大きく分けると、クレジットカードの「追加カード」としてETCカードを作る1番・2番の方法と、直接ETCパーソナルカードの申込みをする3番という2種類の方法がクレジットカード経由でETCカードを作ったほうが、簡単で、しかもお得です。

では、それぞれのETCカードの作り方について、詳しく見ていきましょう。

クレジットカード作成時にETCカードも同時発行する

クレジットカードを新規発行する際には、同時にETCカードも作成できます。キャッシング機能を付けたりすると、クレジットカード審査が難しくなってしまうのですが、ETCカードを同時発行するだけなら、審査に大きな影響はありません。

同時発行のデメリットは、クレジットカード審査に落ちてしまうと、ETCカードも作れないことです。審査をクリアできるかどうかは、事前にわかりません。そのため、絶対にETCカードが欲しい方は、ほかの方法を検討したほうがよいでしょう。

また、クレジットカードとETCカードを同時に申し込んだとしても、2つのカードが同時に送付されるとは限りません。ETCカードだけ後から送られてくることもあります。

同時発行でETCカードを入手する手順

クレジットカードとETCカードを同時発行したい場合、次のような手順でおこないます。

  1. クレジットカードの公式サイトでカード発行申込みをする
  2. 申込み項目の中の追加カード(付帯カード)でETCカードを選ぶ
  3. クレジットカード審査終了を待つ
  4. 審査に通過できれば後日ETCカードが送られてくる

同時発行は、申込時にETCカード発行といった項目にチェックを入れるだけなので、とても簡単です。クレジットカード審査をクリアできれば、ETCカードが手に入ります。

すでにクレジットカードを持っているなら追加でETCカードを作れる

すでにクレジットカードを持っている場合は、その追加カードとしてETCカードを作成可能です。

ただし、すべてのクレジットカードが、追加カードにETCカードを用意しているわけではありません。ごく少数ですが、ETCカードの取り扱いがないクレジットカードも存在します。

追加カードが発行できないクレジットカードしか持っていない場合は、新しくクレジットカードを作るか、ETCパーソナルカードを作るしかありません。

所持クレジットカードに追加でETCカードを発行する手順

すでにクレジットカードを持っている場合は、次のような手順で追加カードとしてETCカードを発行可能です。

  1. マイページから追加カード発行でETCカードを選ぶ
  2. ETCカードが送られてくる

たいていのクレジットカードでは、オンライン上で簡単にETCカード発行の申込みができます。もしもオンライン申込みができない場合は、「電話」か「郵送」で申し込んでください。

すでにクレジットカードを持っている場合は、カード審査が完了しているため、申込み次第ETCカードが発行されます。カード利用法に相当な問題でも無い限り、ETCカードが作れないという事態は起こりません。

ETCパーソナルカードの申込みをする

個人が、クレジットカードを経由せずETCカード単体が欲しいなら、「NEXCO東日本」「NEXCO中日本」「NEXCO西日本」などの高速道路運営会社が発行している「ETCパーソナルカード」を作るしかありません。

ただし、法人や個人事業主なら「ETC法人カード」、大手業者なら「ETCコーポレートカード」の発行も可能です。

ETCパーソナルカードは、年会費が有料ですし、使用するためにはデポジット(保証金)が必要です。デポジットは、ETCの月間平均利用金額の4倍になります。

月に750円しか高速道路を使わないからデポジットは3,000円にする、といったこともできますが、月間利用額がデポジットを超えた時点でETCカードが利用停止になってしまうため、あまり安く設定するのも考えものです。

デポジットは、ETCパーソナルカード解約時に返金されますが、利用している間はずっと入れっぱなしにしておかなくてはいけません。

ETCパーソナルカードの発行手順

ETCパーソナルカードの発行手順は、次のとおりです。

  1. 申込書を取り寄せる(プリンターがあるなら公式サイトからダウンロードも可能)
  2. 申込書を事務局に郵送する
  3. 事務局からデポジット振込用紙が送付される
  4. 振込用紙でデポジットの入金をする
  5. ETCパーソナルカードが送られてくる

ETCパーソナルカードはデポジットで利用料金が保証されているため、発行時の審査はありません。

ETCカードはクレジットカードがあれば何時でも作れる

ETCカードの追加発行は、現在発行されている殆どのクレジットカードで可能です。もしも今あなたが何らかのクレジットカードをお持ちなら、このためにわざわざ新規入会する必要はありません。

クレジットカードさえ手元にあれば、いつでもETCカードを申し込むことができます。

もちろん新しいクレジットカードを作って、そこでETCカードを発行しても構いません。その場合はクレジットカードとの同時発行手続きも可能です。

ETCパーソナルカードならクレジットカードがなくてもOK

クレジットカードがなくてもETCカードを作る方法のひとつが「ETCパーソナルカード」です。

ETCパーソナルカード

  • クレジットカードなしで申込める
  • 月額利用額に応じてデポジットが必要
  • 年会費1,257円(税込)

クレジットカードのない方も、ETCパーソナルカードを申し込めばETC利用が可能です。

ETCパーソナルカードには余分な費用がかかる

但しETCパーソナルカードの問題は、一般のETCカード以上に経費がかかってしまうことです。ETCパーソナルカードは事前に所定の保証金(デポジット)を入金しないと発行されませんし、それとは別に毎年年会費まで徴収されるからです。

デポジットは担保として取り置かれるお金で、一旦入金すると解約時に払い戻しされるまでは動かすことができません。つまりETCパーソナルカードを使う場合、デポジット+年会費+高速道路料金の3種類の費用が必要だということになります。

ETCパーソナルカードはデポジット額までしか使えない

特にお金がかかるのがデポジット料金です。ETCパーソナルカードのデポジット額は「月平均利用額の4倍」という設定となっています。

平均利用月額
(5千円単位切り上げ)
デポジット額
5,000円20,000円
10,000円40,000円
15,000円60,000円
20,000円80,000円

こちらは利用額が少ない方向けのデポジット額ですが、それでも最低3,000円はかかります。

平均利用月額デポジット額
750円3,000円
1,250円5,000円
2,500円10,000円

高速道路を利用できる限度額はデポジット額までで、利用料金がデポジット額を超過した時点で一時的に利用停止となってしまいますから、余裕を持ったデポジット額が必要となるでしょう。

ETCパーソナルカードには年会費1,257円(税込)もかかる

ETCパーソナルカードは、最低でも初期費用としてデポジットの金額が必要になる上に、このデポジット代金とは別に年会費1,234円が毎年引き落とされます。しかもこちらは退会しても戻ってはきません。

クレジットカードでETCカードを発行する場合と比較すると、この通りETCパーソナルカードは初期費用も経費もかなり割高についてしまいます。従ってどうしてもクレジットカード審査に通らないなど、よっぽどの事情がない限りお薦めできません。

でもそういう方でも、経費をかけずにETCカードを作れる方法があります。次にその方法ご紹介しましょう。

家族カード会員もETCカードを発行できる

それは家族カードを利用する方法です。もしもご家族の誰かがクレジットカードを持っていれば、その家族会員になってETCカードを発行できるのです。

家族カードなら審査も不要ですし、ETCパーソナルカードのように費用もかけずETCカードを手にすることができますよ。但し以下のようなケースもあるので、必ずしもこの方法でETCカードを入手できるとは限りません。

  • 家族カードが発行できない
  • ETCカード発行に対応していない
  • 家族(本会員)が発行を同意してくれない

またこの方法でETCカードを作った場合、利用明細が本会員の管理下になってしまうこともお忘れなく。家族カードやETCカードの利用明細を見られるのが嫌だという方には、この方法はお薦めできません。

ETCカードは費用その他を考えても、やはり自分名義のクレジットカードで作るのが一番なのです。

ETCカードだけじゃない!?ETC導入に必要なものを徹底解説

ETCって本当に便利ですよね。いちいちお金を取り出さなくても、高速道路の料金所をスルーできる快適さは、一度体験すればもう後戻りはできません。

しかもETCマイレージサービスやETC割引といったお得なプログラムまで利用できるとあれば、もはやETCを使わない理由が見当たらないというもの。

ではこの便利なETCを導入するには、一体何が必要なのでしょう?

ETC導入には車載機+カードの両方が必要

ETCシステム利用の第一歩は、以下の2つの物を準備することです。

ETC導入に必要なもの

  • 車載器(車に取り付ける)
  • ETCカード(車載器に挿入する)

この両方が揃わないと、高速道路の料金所をスルーできません。2つは同時に入手することも可能ですが、別々の場所で求めるのが一般的です。

車載器には様々なタイプがある

クルマに取り付ける車載器の方は、ディーラーやカー用品店などで購入します。車載器は自動車部品メーカー、家電メーカーなど様々な企業が販売しており、以下のようにその形状は様々です。

中にはカーナビゲーションと一体化した高機能タイプや、バイクに搭載できる車載器もあります。

ETC車載器のタイプ形状
2ピースタイプ本体とアンテナが一体
3ピースタイプ本体とアンテナが分離
ビルトインタイプ車のインテリアと一体

車載器:2ピースタイプ

2ピースタイプの車載器は、本体とアンテナが一体となったタイプです。

車載器:3ピースタイプ

3ピースタイプの車載器は、本体とアンテナが分離されてるタイプです。

車載器:ビルドインタイプ

ビルドインの車載器は、車のインテリアと一体型となったタイプになります。2ピース、3ピースというのはETCカードまで含めた数ですので、車載器そのものは「アンテナ一体型」と「アンテナ+本体分離型」のいずれかです。

価格は5,000円前後から、高機能で10,000円以上するものまで様々です。

車載器は専門店でのセットアップが必要

しかし車載器は購入したままの状態では使えません。必ず事前に登録店でのセットアップが必要です。セットアップの内容とは車両情報の書き込みなので、車検証、免許証を忘れないようにしましょう。

車載器のセットアップ

  • ナンバープレートなどの車両情報を暗号化して書き込む
  • 車検証、免許証などが必要

セットアップは必ずしも車載器の購入店で行う必要はないのですが、この作業は登録制となっており、登録店以外の店舗や個人ではできません。

これを済ませて初めて、料金所入口と出口のアンテナとの交信というETCの機能が使えるようになります。

ETCカードだけでも料金所を通れる!?

しかしまだこれだけでは料金所をスルーできません。車載器はカードを挿入して初めて作動するからです。ETCカードは、小さいながら決済機能という重要な役割を担っており、ETCシステムの主役とも言える存在です。

その証拠に空の車載器では料金所を通ることができませんが、ETCカードさえあれば車載器がなくても通行できるんですよ。

ただしその場合は料金所とのアンテナ交信ができないため、一旦停車した上での手払いとなります。ETCカードだけで支払う場合は、一般レーンに進入し、そこで高速料金を決済してください。

なお、このように使えるのは高速道路の料金所だけで、ETCカードは一般のお店での支払いに使うことはできません。

ETCカードは車が変わっても使える

ETCシステムは車載器とカードの2つ揃って初めて機能しますが、ETCカードは単独でも使えるということを覚えておいてくださいね。

つまり自分名義のETCカードは、他人の車にでも利用可能だということです。この場合、高速料金は車や車載器の持ち主ではなく、ETCカードの所有者に請求されます。

ETCカードは借りた車にでも使えて便利ですが、一方で第三者に悪用される危険性とも常に隣り合わせです。

ETCカードの入れっぱなしも危険です。ETCカードはクレジットカードと全く同じ機能を持っている為、その管理には重々気をつけましょう。

ETCの利用はクレジットカード申し込みからスタート

さて、これでETCカードについては大体ご理解頂けたと思います。最後にETC準備から利用までの一連の流れをまとめましたのでご覧ください。

  1. クレジットカード、ETCカードを申込む
  2. ETCマイレージサービスなど必要な登録を済ませる
  3. ETC車載器を購入、セットアップ作業
  4. ETCカードを車載器に挿入、高速道路を利用
  5. クレジットカード会社から利用料金が請求される

ETCマイレージサービスはとは、申し込み登録したETCカードでの通行料支払いに対してポイントがつくお得な制度です。

貯まったポイントは還元額へ交換できますので、通行料金の支払いに利用できますので、高速道路代を節約することができます。登録料や年会費は無料ですから、高速道路を利用する方は是非とも登録しておきましょう。

料金は後払いで後日クレジットカード会社からカード代金と一緒に請求されますので、期日までには必ず口座にお金を準備しておいてくださいね。

ETCカード発行には若干時間がかかるため(1~2週間前後)、お急ぎの方は車載器購入に先立ってカード申込みに取り掛かるのがコツです。ETCカードをお急ぎの方は、ETCカードも即日発行に対応しているクレジットカードを申し込みましょう。

ETCカードを持っておく5つのメリット!高速道路代がお得になる

ETCを持っているメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

  1. 高速道路の料金所をスムーズに通過できる
  2. 高速道路の利用でクレジットカードのポイントが貯まる
  3. ETCマイレージポイントが貯まる
  4. ETC割引サービスを利用できる
  5. 複数の車で利用できる

では、ETCカードのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

高速道路の料金所をスムーズに通過できる

ETCカードを持っていると、高速道路の料金所で、料金を手渡しする必要がありません。そのため、車を停止させずにスムーズに通行できます。

対して、昔ながらの一般レーンは、自分自身が料金所横で停止するために時間がかかるのはもちろん、ほかの車両も料金所の横で停止するため、渋滞が起こりやすく、ETCレーンのようにスムーズに進行できません。

一般レーンだと、時間的なロスもさることながら、スイスイと進むETCレーンを横目で見るという精神的ストレスも発生します。そのため、高速道路を使う機会が多いなら、ETCカードを作っておいた方がよいでしょう。

高速道路の利用でクレジットカードのポイントが貯まる

高速道路でETCカードを使うと、クレジットカードのポイントが貯まります。実質的に、クレジットカードのポイント還元率の分だけ高速道路料金が割引されるようなものなので、使わないのは損です。

ただし、ETC利用時にポイントが貯まるのは、クレジットカードの追加カードとしてETCカードを作った場合に限ります。ETCパーソナルカードを使っている場合は、ポイントは貯まりません。

ETCマイレージポイントが貯まる

ETCレーンを使うと、クレジットカードのポイント以外に、「ETCマイレージポイント」も貯まります。貯まったポイントは、高速道路料金として利用可能です。

貯まるポイントは、どの道路を使ったかによって変わってきます。たとえば、NEXCO東日本なら10円につき1ポイント、神戸市道路公社なら50円につき3ポイントに加算ポイントを足した分が獲得ポイントです。

加算ポイントとは、月の利用金額が多いほど追加でポイントを貰えるシステム。また、もらえるポイントが違うだけでなく、1ポイントが何円相当なのかも、道路事業者ごとに違い、別の道路で貯まったポイント同士は合算できません。

ETCマイレージポイントは、ETCパーソナルカードでも貯まります。

ETC割引サービスを利用できる

ETCカードを持っていると、ETC専用割引を利用可能です。「平日朝夕割引(6~9時と17~20時)」「休日割引(土日祝)」「深夜割引(0~4時)」など、さまざまな割引サービスが用意されています。さらに車載器がETC2.0だと、「ETC2.0割引」も使えるため、よりお得です。

ETC割引サービスの中でも「平日朝夕割引」がETCマイレージサービスに登録しないと適用されませんので、高速道路を利用する前にETCマイレージサービスに登録しておきましょう。

ETCカードを作る時に確認しておきたいこと

同じETCカードでも、どのクレジットカードの追加カードとして作ったのか、もしくはETCパーソナルカードを作ったのかでサービス内容がまったく違ってきます。

そのため、ETCカードを作るときには、次のような点に注意が必要です。

  • 発行費用(入会金)がいくらかかるか
  • 年会費がいくらかかるか
  • 発行までの日数はどの程度か
  • 利用時にどの程度ポイントが貯まるか

では、ETCカード作成時の注意点について、詳しく見ていきましょう。

発行費用がいくらかかるか

ETCカードを発行するための費用は、クレジットカードごとに違います。発行費用がかかる場合、550円(税込)、1,100円(税込)といった価格が一般的です。ただし、大手のクレジットカードは、ETCカードの発行費用を無料にしてところが少なくありません。

どうしてもそのクレジットカードにしたい、という希望がなければ、なるべく発行費用が無料になるクレジットカードでETCカードを作ったほうがお得です。

なお、ETCパーソナルカードも発行費用はかかりません。

年会費がいくらかかるか

年会費もクレジットカードごとに変わってきます。こちらも、年会費無料、年会費550円(税込)、年会費1,100円(税込)のどれかになるのが普通です。

発行費用も年会費も無料のものが1番ですが、どちらかだけ無料のものを選ぶなら、年会費が無料のクレジットカードを選択しましょう。

なお、ETCパーソナルカードの場合は、年会費1,257円(税込)です。年会費が高いため、なるべくETCパーソナルカードではなく、クレジットカード経由でETCカードを作りましょう。

発行までの日数はどの程度か

申込みからETCが届けられるまでの時間も、クレジットカードごとに異なります。最速は、実店舗のサービスカウンターを使っての、即日受け取りです。

申込みをしてからETCカードが送付されるまでに早くても1週間程度、普通は2週間程度かかります。

ETCパーソナルカードの場合は、申込みからデポジット振込用紙が送られてくるまでに1週間程度必要。そこから、デポジットを入金して、ETCパーソナルカードが送られてくるまでにさらに2週間程度かかります。

ETCパーソナルを手に入れるためには、3週間から1カ月ぐらいはかかると思っておいたほうがよいでしょう。

利用時にどの程度のポイントが貯まるか

ETCの支払いをクレジットカードにすると、利用ごとにクレジットカードのポイントも貯まります。この時、基本還元率が高いクレジットカードを使うほど、貯まるポイントも増えてお得です。

一般的なクレジットカードの還元率は、0.5%ですが、還元率1%のカードでETCカードを発行すると、ETC利用で貯まるポイントが2倍になります。そのため、ETCカードの本体となるクレジットカードは、なるべく高還元率のものを選びましょう。

ただし、クレジットカードによっては、ETC利用時に貯まるポイントが2倍になるなど、特別なサービスを実施していることもあります。

こういった追加サービスも含めて、どれだけ得になるか検討してみてください。

なお、ETCパーソナルカードの場合は、クレジットカードで支払わないため、ポイントは貯まりません。

なるべくならETCパーソナルカードは使わない方がよい

ここまで見てきたら分かるとおり、ETCパーソナルカードを作るよりは、クレジットカード経由でETCカードを作った方がお得です。ETCパーソナルカードのデメリットをあらためてまとめると、次のようになります。

  • 年会費が高い(1,257円)
  • 高額のデポジットが必要(月間利用金額の4倍)
  • 発行までが遅い
  • 申込み手続きが面倒
  • ETC利用時にクレジットカードのポイントが貯まらない

たいがいのクレジットカードは、オンライン上で手続きが完結するのですが、ETCパーソナルカードは、ネット申込みに対応していません。「ETCパーソナルカード利用申込書」を取り寄せた上で、事務局に書類を郵送で申し込まなくてはならず、かなり不便です。

ETCパーソナルカードのメリットは、審査なしで作れるということしかありません。そのため、ブラックリストに載っていたり、税金滞納していたりして、クレジットカードを発行できない人以外は、あえて作る意味はないでしょう。

ETCカードを即日発行する時の注意点

ETCカードは通常クレジットカードを申し込みしてから1週間ほどで本カードとは別便で自宅に届きます。セゾンカードインターナショナルを申し込む時の注意点として、ETCカードも即日受け取りたい場合、セゾンカウンターにクレジットカードを受け取るタイミングでETCカードを申込む必要があります。

WEBで申し込む時にETCカードを一緒に申し込んでしまうと、後日郵送対応となってしまう為、ETCカードを即日受け取れなくなってしまいます。

したがって、WEBの申込画面ではカード受け取りの箇所で「セゾンカウンターで受け取り(即日発行の来店受取をご希望の方)を選択頂き、ETCカードは「申込まない」を選択しましょう。

そしてクレジットカードをカウンターに受け取りに行く際に、ETCカードを申し込めば、ETCカードも一緒に即日受け取りが可能となります。

ETCの利用手順!初めてETCを利用する方に分かりやすく解説

ETCカードの実際の利用手順は、次のようになります。

  1. ETCカードを発行する
  2. ETC車載器を手に入れる
  3. ETC車載器を車に取り付ける
  4. ETC車載器の設定(セットアップ)をする
  5. ETC車載器にETCカードを挿入する
  6. 高速道路のETC専用レーン(一般・ETC共用レーン)を通過する
  7. 後日ETC利用料金を支払う

ETC車載器は、カー用品店、カーディーラーなどで購入可能です。ETC管理団体の「セットアップ登録店」であれば、そのまま取り付けと設定もできます。セットアップにかかる料金は、だいたい3,000~6,000円程度です。

車載器を買う場合は、多少高くても新しいバージョンである「ETC2.0」に対応するものをおすすめします。ETC2.0対応機器は、2030年におこるセキュリティ規格変更に対応していますし、高速道路料金も特別な割引価格で利用可能です。

ETC利用時には、車載器にETCカードを挿入しますが、車に乗らない時も入れっぱなしにするのはおすすめできません。車内にこもる熱などの影響で、ETCカードに不具合が発生する危険性があるからです。

高速道路をお得に利用できるETCマイレージサービスを徹底解説

ETCマイレージサービスに登録すると、ETCカードでの通行料金に対して「ETCポイント」が貯まります。貯まったポイントは有料道路の通行料金に充てられるので、移動費の節約になりお得です。

しかし初めてETCを利用する場合「どうやってETCポイントを貯めるのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこでここからは、ETCマイレージサービスの「ポイントの仕組み」や、「お得に利用する方法」などを詳しく解説していきます。

ETCマイレージサービスとは?

ETCマイレージサービスとは、ETCカードを対象道路で利用した際に、利用分に応じてポイントが付与されるサービスです。貯まったポイントを還元額に交換することで、有料道路の通行料に充てられます。

ETCマイレージサービスは、登録料も年会費も無料です。コストはかからずに使えますので、ETCカードを利用するなら一緒に登録したほうが断然お得なのです。

ETCマイレージサービスのポイントの仕組み

ETCマイレージサービスでは、登録したETCカードにて対象の道路を利用すると、通行料金(各種割引適用後)の支払額に応じてポイントが貯まります。

ポイントは走行の翌月20日に、走行ごとに付く仕組みです。
(※NEXCO東/中/西日本及び宮城県道路公社が実施する「高速道路周遊バスのポイント追加付与キャンペーン」のポイント付与は、走行の翌々月20日)

なお、ポイントの合算はできないため「道路事業者ごとのポイント」が貯まりますが、NEXCO東/中/西日本及び宮城県道路公社に関してはポイントの合算が可能です。

こちらもあわせて覚えておくと良いでしょう。

利用額に応じて付与されるポイント数

利用金額に対して付与されるポイント数は、道路事業者により異なります。以下をご参照ください。

  • NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社→10円につき1ポイント
  • 本州四国連絡高速道路株式会社→10円につき1ポイント
  • 愛知県道路公社→100円につき1ポイント+α
  • 神戸市道路公社→50円につき3ポイント+α
  • 広島高速道路公社→100円につき1ポイント+α
  • 福岡北九州高速道路公社→100円につき1ポイント+α

「+α」のある道路事業者の場合、月間利用額に応じた加算ポイントも付きます。

たとえば愛知県道路公社では、月間利用額が5,000円から10,000円からまでの分は4ポイント、10,000円から20,000円までの分は8ポイントが追加される仕組みです。交換レートに関しては、以下のとおりです。

【NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社】
1,000ポイント→500円分
3,000ポイント→2,500円分
5,000ポイント→5,000円分

【本州四国連絡高速道路株式会社】
1,000ポイント→500円分
3,000ポイント→2,500円分
5,000ポイント→5,000円分
【愛知県道路公社】
100ポイント→100円分
【神戸市道路公社】
200ポイント→100円分
【広島高速道路公社】
100ポイント→100円分
【福岡北九州高速道路公社】
100ポイント→100円分

交換した還元額は、還元額が使える道路事業者で利用可能です。また、ポイントを発行した道路事業者以外の通行料金の支払いにも使うことができます。

たとえばNEXCO東日本の利用で貯めたポイントを交換し、その還元額で愛知県道路公社の運営する高速道路の通行料金に充当することも可能です。くわしくは、ETCマイレージサービスの公式ホームページをご確認ください。

ポイントの有効期限について

貯めたポイントには有効期限(還元額に交換できる期限)がありますので注意しておきましょう。

たとえば2023年3月20日に付与されたポイントは、2024年3月末までが交換期限となります。有効期限を過ぎるとせっかく貯まったポイントも失効してしまうので、期限内に忘れず交換しましょう。

ポイントの交換方法

貯まったポイントの交換方法は4つあります。

  • ポイント自動還元サービス
  • インターネットのマイページからの手続き
  • 自動音声ダイヤルでの手続き
  • ETCマイレージサービス事務局へ電話での手続き

自分で交換する方は「インターネットのマイページ」か「自動音声ダイヤル」での手続きがおすすめです。ETCマイレージサービス事務局への電話はつながりづらく、交換手続きに時間がかかる可能性もあるので注意してくださいね。

なお交換手続きが面倒な方には「ポイント自動還元サービス」がおすすめです。

ポイント自動還元サービスを活用すればポイントが失効せず便利

自動還元サービスとは、自動還元の対象となるポイント数が貯まった時点で、自動的にポイントを還元額に交換するサービスです。

自動還元は毎月20日におこなわれ、当日の午前0時以降の支払額に還元額が充当されます。自動還元の単位は、以下をご参照ください。

  • NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社:5,000ポイント→5,000円分
  • 本州四国連絡高速道路株式会社:5,000ポイント→5,000円分
  • 神戸市道路公社:1,000ポイント→500円分
  • 愛知県道路公社:1,000ポイント→1,000円分
  • 広島高速道路公社:1,000ポイント→1,000円分
  • 福岡北九州高速道路公社:1,000ポイント→1,000円分

注意点として、自動交換単位に達しない状態で有効期限を迎えたポイントは失効してしまいます。交換可能なポイントがある場合は、期限内に自分で交換手続きをしておくと安心です。なお、自動還元サービスの設定方法は3つあります。

  • インターネットのマイページからの手続き
  • 自動音声ダイヤルでの手続き
  • ETCマイレージサービス事務局へ電話での手続き

ただし「ポイント交換手続き」と同様に、ETCマイレージサービス事務局への電話はつながりにくい可能性があるので留意しておきましょう。

高速道路代がお得になる平日朝夕割引

ETCマイレージサービスに登録すると、平日朝夕割引が適用になります。平日朝夕割引とは、対象となる有料道路において通行料金の30%~50%が還元されるサービスです。以下5つの高速道路において適用されます。

  • NEXCO東日本
  • NEXCO中日本
  • NEXCO西日本
  • 本州四国連絡高速道路株式会社
  • 宮城県道路公社

高速道路によって割引になる時間帯は異なりますが、NEXCO東日本では「祝日を除く平日の6時~9時、17時~20時」が平日朝夕割引の対象です。

また還元率は、月ごとの対象走行の利用回数に応じて決まります。NEXCO東日本の場合、還元率は以下のとおり。

  • 5~9回/月:約30%
  • 10回以上/月:約50%

ただしETCマイレージサービスに登録されたカードごとに午前・午後それぞれ最初の1回のみ適用となります(2回目以降は対象外)。

たとえば1回の通行料金が1,000円で、月6回利用した場合、月の請求額は6,000円、割引率は30%のため、1,800円が還元額になります。

還元額は翌月20日に付与され、無料走行分として道路料金に充当可能。お得に高速道路を使いたい方にはぴったりのサービスといえるでしょう。

なお「平日朝夕割引」の対象となる時間帯や適用条件などは、高速道路によって異なります。くわしくは、ETCマイレージサービスの公式ホームページをご確認ください。

ETCマイレージサービスの登録方法

ETCマイレージサービスに登録するためには「ETCカード」と「セットアップが完了している車載器」が必要です。

ETCカードは、クレジットカード会社が発行する「ETCクレジットカード」もしくは道路事業者が発行する「ETCパーソナルカード」のいずれかを用意しましょう。

またETCマイレージサービスの登録には、下記の情報も必要になります。

  • 名前
  • 生年月日
  • 住所
  • 電話番号
  • ETCカード番号
  • カードの有効期限
  • 車両番号(ナンバープレートの4桁)
  • 車載器管理番号(ETC車載器の19桁)

ETCマイレージサービスは「公式サイト」または「郵送」で申し込みが可能です。ただし郵送の場合、料金所やサービスエリアで申込書を取得して記入しなければいけません。

インターネットのほうが時間も早く、申し込んだ当日からポイント付与の対象になるのもメリット。特に理由がなければ、ネットでの手続きをおすすめします。

ETCカードの作り方Q&A!ETCの疑問を一気に解決

ラストはETCカードのQ&A集です。本文でご説明しきれなかったことをQ&A形式にまとめました。ETCについて理解を深めるために、是非目を通しておいてくださいね。

ETCカードは1人で何枚持てますか?

ETCカードは1人で何枚でも持つことができます。

一般のクレジットカードの場合、1枚につき1枚のETCカード発行が原則です。なので複数のクレジットカードを持っていれば、その枚数分のETCカードが作れます。ETCカードを何枚も発行して、目的別に使い分けても構いません。

ETCカードに限度額はありますか?

ETCカードの利用上限は、紐づいているクレジットカードの利用限度額の範囲内となっています。

ETCカードを使い始めるとカード請求額が一気に増えますので、カード利用可能枠残高には気をつけてくださいね。高速道路料金の多い方は、限度額の引き上げもご検討ください。

但しドライブ中にカード利用限度額を超えてしまった場合も、安全上料金所はちゃんと通過できます。

他人名義のETCカードは使えますか?

>ETCカードはクレジットカードと同じなので、所有者が運転もしくは同乗していない限り、そのETCカードは使えません。

それ以外のケースで他人名義のETCカードを使うとカード規約違反となりますのでご注意ください。

ETCカードは車載器に差し込んだままでも構いませんか?

車を離れる場合、ETCカードは必ず車載器から抜き取り携行してください。

これは現実には必ずしも守られていませんが、車内放置(ETCカードの入れっぱなし)は防犯上好ましくないだけでなく、カード劣化の原因にもなります。ETCカードの動作エラーは危険を伴うため、カード管理には十分ご注意ください。

なお複数のETCカードをお持ちの方は、カードの入れ間違いにも気をつけましょう。有料道路の入口と出口でETCカードが変わると、バーが開かず危険です。

ETCのない料金所ではどうすればいいのでしょう?

ETCシステムが使えない場合も、料金所でETCカードで支払えますので現金は不要です。

なおETC割引にはETC無線走行が条件ですが、間違って一般レーンに進入しても車載器が確認できれば割引は適用されます。

ETCカードに有効期限はありますか?

ETCカードにも有効期限があります。

クレジットカード同様、通常は期限切れの前に新しいETCカードが登録された住所宛に届きます。

期限切れのカードではETCレーンのバーが開かず危険ですので、有効期限は毎回確認するようにしましょう。

ETCカードを買い物に使える?

ETCカードは、ETCにしか使えません。ただし、クレジットカードとの一体型カードなら、クレジットカードの方の機能でショッピングにも利用できます。

>ETCカードとクレジットカードが別々となっている場合は、ETCカードでお買い物など決済することはできません。

ETCカードは2輪車でも使える?

ETCカードは、バイクでも利用可能です。ただし自動車用の車載器とバイク用の車載器は種類が違うため、別に購入し、セットアップをしなければいけません。

ETCカードは車載器がないと使えない?

車載器なしのETCカード単体でも利用可能です。この場合、ETCレーンではなく一般レーンに進入して、係の人にETCカードを手渡しして料金を決済してもらいます。

ただし手渡しで使うと、ETC用の割引サービスは適用されませんので、注意しましょう。

どんなクレジットカードでも新規作成時にETCカードを同時発行できる?

まず、追加カードにETCカードがないクレジットカードが存在します。

また一部のクレジットカードは、同時発行ができず、クレジットカードを作った後に、あらためてETCカードの申込みをしなくてはいけません。

車載器の設定は自分でしてよい?

車載器の取り付けは自分でしても大丈夫ですが、セットアップは登録店でおこなわなくてはいけません。

ETCカードが使えるのは設定した1台だけですか?

ETCカードは、複数の車両で利用できます。所有している車だけでなく、レンタカーでも利用可能です。

ただし、ETCカードの貸与は禁止されているため、家族や友人に使わせてはいけません。

ETCカードは発行までにどれくらい時間がかかりますか?

ETCカードの発行スピードは即日から1.2週間とカード会社やカードの種類によって幅広いです。

ETCカードを利用する予定がある場合は、前もって申請しておくほうがよいでしょう。急なスケジュールなどで今すぐにETCカードを手に入れたい方は、ETCカードも即日発行に対応しているクレジットカード、「セゾンカードインターナショナル」がおすすめです。

セゾンカードはクレジットカード本体だけでなくETCカードも同時に即日発行に対応している唯一のクレジットカードで年会費無料で作ることができます。

ETCカードの作り方はクレジットカードがどなたも簡単でお得

ETCには車載器とETCカードが必要です。ETCカードは、クレジットカードでどなたにも簡単に作れます。お手持ちのクレジットカードを利用しても構いませんが、クレジットカードによって費用が異なることにご注意ください。

ETCカードがあれば高速道路などの料金所をノンストップで通過できるうえ、ETCマイレージサービスに登録することで有料道路の利用ごとにポイントが貯められます。

ETCマイレージサービスの登録には、登録料や年会費がかかりません。さらに別途の手続きなどはなく、自動的に「平日朝夕割引」が適用されるのも嬉しい特典です。

ETCカードを利用する方は「ETCマイレージサービス」に登録し、通行料金の節約につなげてみてはいかがでしょうか。

ETCカードは決済機能を担う重要なもの。クレジットカード同様、管理には十分気をつけてくださいね。また、ETCカードの利用明細も確認するようにしましょう。

ETCカードはETCカードのみの発行も可能ですが、デポジットが必要になるため、クレジットカードと併せて発行するのがおすすめです。年会費無料のクレジットカードでもETCカードを発行することができ、カードによってはETC利用でポイントが増えるカードもあります。ETCカードでもポイントが貯まるので、ぜひ1枚は持っておくのがおすすめです。

監修・コメント頂いた専門家
鶏冠井悠二

鶏冠井悠二
・2級ファイナンシャルプ ランナー・証券外務員一種・投資診断士

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。
「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、事業承継、クレジットカードやポイ活など
幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。
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